【書評】『日記の魔力』/表三郎

新たな気持ちで、と元旦から書きはじめたのに、一週間もしないうちに放り出してしまった日記帳があなたの机にもあるのではないだろうか?

私はある。日記をEvernoteに毎朝通勤している途中で記入しようとしたことがあった。始めのうちは「自分の生活を記録するんだ」と張り切って書いていたものの、思った以上に時間がかかり、結局一週間ほどで投げ出してしまった。なかなか出来ることではないことは覚悟していたが、自分の継続力のなさに少し落ち込んだことを覚えている。

日記というものにそんな苦い思い出がある私だが、アマゾンで『日記の魔力』というタイトルを見て興味をそそられ購入した。これを読んで、効果があるならばもう一度始めてみようと思っていた。しかし、読み進めると驚くべき事実が判明する。なんと私は既に「日記」をつけ始めていたのだ!

日記は行動の記録である

著者の表三郎氏は日記をつけ始めてから30年以上継続している「日記の名人」である。30年以上とは並大抵のことではない。そんな彼はどんな日記をつけているのだろうか。

私の日記は、ほとんどが行動の記録だ。朝起きてから夜寝るまで、その日一日の自分の行動を時間の推移とともに克明に書き記していく。ただそれだけ。

何時何分にどこで何をしていたのか、そんな日々の行動を淡々と書き並べているのが彼の日記である。

私たちが日記と聞いてイメージする感想を中心とした日記ではない。なぜなら『感想がないと日記を書かなくなってしまう』からだ。もちろん感想を書いていけないということはなく、何か感動したことや、忘れたくないことは書くようにしているということなので、念のため補足しておく。

また私たちは日記を書こうとすると、「上手い文章」を必死に書こうとする。しかし「上手い文章」は一朝一夕で書けるものではない。苦労した割に平坦な文章。そんな文章しか書けない自分に嫌気がさし、日記をやめてしまう。

しかしよく考えて欲しい。日記は極めてプライベートなものである。自分で書いて、自分で読むものに果たして「上手い文章」が必要だろうか。そんなことはないはずだ。もっと気楽に事実だけを淡々と書けば良いのである。ここに日記を継続させるための鍵がありそうだ。

日記をつけることの効果

本書の中で、著者は日記をつける目的を「自己管理」であると書いている。ではなぜ自己管理をするのか。それは『自分にとって理想的な人生を生きるためである』としている。

自分できちんと管理すれば、どのような環境にあっても、その流れに左右されることなく、自分自身の流れをつくることができるのだ。
つまり、自分の人生の主導権を握ることができるということだ。

日記をつけてそれを読むことで私たちは非常に驚く。なぜならセルフイメージと実際の自分の間には大きな落差があるからである。この落差をまず認識することで次の段階へ一歩踏み出すことが出来る。

一日の始めに日記を書けば、昨日という日を踏まえたうえで、今日これからの人生をどう生きるかという視点が生まれる。

私たちは課される仕事をこなすことに精一杯であることが多い。我慢して頑張り続ければ本当に自由な人生を送ることが出来るのだろうか。そんな疑問を持ちながらも、どう解決したら良いのか分からず、現状を維持しているサラリーマンは多いのではないだろうか。

著者はそんな人たちに「とりあえず日記をつけてみなさい」と勧めるそうだ。

日記で人は変わるといったが、その変化はある日突然起きるのではない。毎日毎日少しずつ自覚が変わっていき、セルフイメージが修正され、その積み重ねによって自己変容が起きるのだ。

「日記の名人」の言葉は、強いメッセージ性を持って私の中に届いた。

日記とはタスクシュートそのものではないか

この本を読んで驚いたのは、著者が言う日記は、その目的、記録の方法がタスクシュートと完全に一致しているということだ。タスクシュートの場合は予め計画を立てた上で記録するので、この日記をさらに昇華させたバージョンと捉えることも出来る。

偶然にも私は今年に入ってから「TaskChute Cloud」を使って生活をデザインし、記録している。つまり、冒頭で述べたように、私は既に日記をつけ始めていたのである。

毎日をデザインするタスク管理ツール「TaskChute Cloud」を試してみる。
去年は本当にたくさんの、そして人生における重要なタスクと直面した一年間だった。とにかく濃密な一年間だった。「確実に前進している」という実感はあったがその一方...

タスクシュートを始めて約一ヶ月が経ち、自分の行動のデータベースが少しずつ積み重なってきている。過去の日記(記録)を読むことで素晴らしい効果があるならば試してみる他ない。

ここで紹介した以外にも本書では日記の効果について多く著されている。「自己管理」の方法のひとつとして参考になるはずだ。少しでも興味を持った方は是非手にとって見て欲しい。

日記というものへの見方を変えてくれる素敵な本であった。

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